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    博愛会病院に赴任して勤続二十年近くになり令和6年6月から院長に就任させていただきます。

    旧病院時代に岐阜大学整形外科医局より赴任となりましたが月日が流れるのは早いもので現病院への移転がつい先日のような気がします。整形外科医として働いてきて35年位になりますが博愛会病院が一番長く勤務していることとなりました。

    最近感じるのは10年前と比べて時代が変わったこともあり昔とは医療体制が変化してきていることです。それは社会が高齢化していることとともにスタッフや自分自身も平均年齢が高くなってきている事とも関係してきているのです。モラルに対する社会の考え方の変化や政府の医療機関に対しての締め付けなどいろいろな要素が病院環境や職員の労働意欲を変化させていることを実感します。変化に対して柔軟に対応して意識や制度を改善していかなければ生き残れなくなっているのかなと思います。

    企業の平均寿命というものを知っていますか。2023年の倒産企業の平均寿命は23.1年(前年23.3年)で、2007年に調査を開始以降、東日本大震災が発生した2011年(23.0年)に次いで短かったのです。会社・企業と病院では少し違うかもしれませんが改善ということをしなければいけないと考えています。最近思うのはその人の能力にあった適材適所がうまくいっていればその部署は成長するがそうでない場合は労力の無駄におわってしまいます。

    個性というものがある以上人それぞれ長所、短所、能力や考え方が違うのは当たりまえでそれをどう評価して生かせる場所に置いてやることは上の者の責任ではないかと思います。自分の短所をわかってそれを克服するように努力しなさいというような考え方もありますが、ある文章に「短所を補おうと努力するなんて無駄、努力したとしても人並程度か平均以下にしかならない。努力するなら長所を伸ばすことに時間をかけなさい。そうすれば誰よりも秀でたものがひとつできるじゃない。なぜならば人生には時間が限られているから」という考えに感銘を受けました。

    ですから職員の皆さんも自分の長所を伸ばす努力をすることにより自分も生かせるのではないかと思います。以前の朝のスピーチでもいった事ですが上司の経験談や医者や師長のいったことをそのまま信じてはいけません、自ら考えることや文字や本になったことだけを信じましょう。Evidenceと自ら物事をファジーに考えることがあなたの武器になることを覚えておいてください。

    若い職員や中堅クラスの方に伝えたいのは「置かれた場所で咲きなさい」と「となりの芝生は青く見える」です。私はここに赴任する前は大学病院を含めて5つの病院に勤務してきました。それぞれの病院にはいろいろ特徴があり良いところも悪いところもありすべての条件が満足できる職場なんていう事はありませんでした。どこにいても気に入らないことはあるものです。今ある条件で何か生きがいややりがいのあることを見つけることが自分を高めるのではないかと思います。

    人口減少、地域の高齢化の波で関ヶ原病院の診療所化、最近では西美濃厚生病院の移転などがあり博愛会病院は岐阜県最西部を担う基幹病院となりこの地域にはなくてはならない病院です。全職員の協力と改善意識をもって医療に携わることが自分を高め、病院を良くすることにつながるのではないでしょうか。よろしくお願いします。

    病院長角島 元隆